日本ラグビーの「大きな進歩」前指揮官語る
Q 1. 2019年に日本で開催されるラグビーW杯まで2年を切ったラグビー日本代表の現状をどうみていますか。
リーチ・マイケルだけが持っているもの
――2015年ラグビーW杯でもキャプテンを務めたリーチ・マイケルがキャプテンに復帰しました。
ジョーンズ ジェイミー(・ジョセフHC)は素晴らしい判断をしたと思いますよ。リーチは大変良い状態で戻ってきましたし、テストマッチにふさわしいキャプテンであることは証明済みです。リーダーシップもあり、選手としてスキルも高いので、自身のプレーで引っ張っていくこともできます。そして、日本と外国、双方の言語と文化をよく理解しているので、日本人選手と外国出身の選手とのギャップを埋めることもできます。最善の選択だと思います。また毎日ベストを尽くし、毎日みんなの手本となる、というキャプテンの資質として何より先にくるものをリーチは備えています。
――現在のラグビー日本代表の選手選考についてはどうでしょうか。2015年のメンバーが今もプレーしています。
ジョーンズ リーチだけでなくHO(フッカー)堀江翔太(パナソニック)とSH(スクラムハーフ)のフミ(田中史朗/パナソニック)は、11月はとても良いプレーをしましたね。彼らは長期的な視野でみてもプレーを計算できる選手です。
――2015年当時は若かった選手も育って来たように思えます。
ジョーンズ 特にFB(フルバック)松島幸太朗(サントリー)は際立っています。選手としてとても成長しつづけている。今後彼がスター選手になっていくと思います。そしてWTB(ウィング)福岡堅樹が非常にいいですね。ゲーム感が向上して、すごくいい判断をしている。パナソニックで、ロビー・ディーンズという名将のもとどんどんラグビーを習得しています。SO(スタンドオフ)田村優(キヤノン)は、10番の役割の責任を自覚し始めてきていると思います。またゲームに臨む感情も落ち着いてきたように見えます。プロフェッショナルになったこと(注:昨年キヤノンに移籍し、完全なプロ選手としてプレー)で、彼の姿勢もプロフェッショナルになってきたのではないでしょうか。自分のパフォーマンスに責任をもっと持たなければならなくなりました。